2020/10/20 10:00
風が涼しくなってくると、温かいものを食べたくなりますし、むっと湿度が立ち込める季節が来ると、冷たいものを食べたくなりますね。どちらの季節にもおすすめの食材が、ショウガです。ショウガは火を通して食べれば体を温めますし、生で食べれば火照った体を覚ましてくれます。ショウガは常に、冷蔵庫に入れておきたい食材です。
熱帯アジア原産ですが、比較的温暖な地域であれば育つので、現在は世界中で生産されています。スパイスとして各国の料理に入ることの多いショウガは、その成分にも古くから注目されてきました。
漢方薬でも使われてきたショウガは、日本でも古事記に記載があるほどよく使われてきた薬味で、辛味成分である「ジンゲロール」と「ショウガオール」がその効果を持っているそうです。「ジンゲロール」は生のショウガに多く含まれている成分。「ショウガオール」はジンゲロールが加熱されて変化したものです。
強い殺菌力を持つジンゲロールは、先に生のショウガに多く含まれている成分であるとお伝えしましたが、カツオのたたき、イカのお刺身に、薬味としてショウガが使われることが多くあります。生臭さを消すための効果もありますが、ジンゲロールの殺菌力によって食中毒から身を守ることも期待できます。細菌やウイルス対策にも良いそうなので、積極的に取り入れたい食材ですね。
冷えて滞りがちな血液の流れを良くする効果で温める効果のあるショウガオールは、風邪の引き始めや冷え症からくる関節炎などに効果があるそうです。すりおろしたショウガと刻んだ長ネギにお湯を注いで飲むのがおススメ。
また、ショウガは消化酵素、タンパク質分解酵素も含まれています。肉や魚といっしょに使えば、その香りで生臭さを取り、消化効率を高めて、肉をやわらかくしてくれる。毎日使いしない手はない、という食材ですね。たたいた梅干とすりおろしたショウガに、番茶をかけていただくのも、風邪対策に良いそうですよ。
この冬はショウガをたっぷり使って、乗り切りましょう。
(文・Natuo Yoshida/ぷう by Photo AC)