2020/10/24 07:00

味噌がいつ、どこから日本に伝わったかはわかっていませんが、古代中国から伝わった「醤(ひしお)」「豉(し)」という食品が、味噌の起源だと言われています。「醤」は肉や魚を雑穀、麹、塩で漬け込んだ発酵食品で、魚醬に近いもの。「豉」は大豆や雑穀、塩でつくった発酵食品です。
「醤」という言葉が初めて公の文書に記されたのは、701年に出された大宝律令の「未醤」で、「みしょう」が転じて「みそ」になったとされています。
一部の貴族や僧侶が口にする贅沢品で、当時は調味料というより、薬のような立ち位置であったと考えられています。食べ物につけたりなめたりして口にしており、庶民の手に入ることはありませんでした。
1300年ほどの歴史を経て、味噌汁を始め、味噌を使った料理をたくさん考案して発展してきた日本の味噌文化は、やがて庶民のくらしに根付く存在となっていったのです。
味噌は総じて茶色ですが、その色素成分であるメラノイジンという成分には強い抗酸化力があるそうです。老化予防や免疫力アップに効果的な成分で、特に赤味噌はその力が強いとか。整腸作用も期待できる成分なので、おなかの調子が悪い人にもおすすめの食品です。
栄養も非常に豊富で、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった6大栄養素もバランスよく含まれています。
何よりも、腸内環境を整えるには、そこに棲息する細菌類の多様性が重要。さまざまな菌が、良いバランスを保つことで、腸内環境が整うということがわかってきています。麹菌によって醸された味噌には、さまざまな有用菌が含まれます。人間にとって必要な、善玉菌といわれるものも多く含む味噌。
人だけでなく、細菌類も多様性とバランス感覚こそが重要な時代ですね。腸内環境のためにも、味噌活、始めましょう。
(文・オダ ツナヨシ/画・HiC by Photo AC)