2020/10/26 07:00
旬の野菜を食べるように心がけているだろうか。
近頃は年中スーパーマーケットに出回っている食材も多く、旬を感じる機会が減ってきている。しかし、旬の食材には、我々がその時期に必要な栄養素を多く含んでいることが多い。旬の食材を食べることは単に食通の戯れということではなく、自分の体の調子を整えるためにも理にかなっているのだ。
冬を代表する葉野菜といえば、白菜だろう。鍋に入れて出汁とともに茹でるだけでも、美味しい。冬場には貴重なビタミンCを豊富に含んでいるほか、代謝を助けるというマグネシウムやカリウム、カルシウムといったミネラルもたっぷり。免疫力アップや感染症の予防対策、疲労回復、美肌効果を期待できる。風邪を引いたあとにも、おすすめの食材だ。
その苦みが好きと嫌いを分ける春菊。これも鍋には入れたい食材と言える。βカロテンを豊富に含み、皮膚や粘膜を丈夫にして、喉や肺といった呼吸系統を守るはたらきが期待できる。美肌にも良さそうだ。
人参は、特に子どもが苦手な食材でも上位にランクインしてくる野菜だが、東欧諸国などの寒い地域では良く食べられる食材だ。冬に実りがない極寒の地域では、緑黄色野菜の力は重要だが、人参を細かく切って米やバター、クミンなどと一緒に炊き込むプロフ(ピラフのようなもの)は有名。体を温める食材として、古くから活用されてきた。
長ネギといえば、日本では古くから風邪対策の民間療法として活用されてきた。
風邪対策に効果的なビタミンCなどの栄養素が非常に豊富。特にネギのにおいのもとであるアリシンには、殺菌作用、抗菌作用、抗酸化作用があり、消化機能の向上や血行促進、疲労回復効果が期待できる。
冬野菜は、寒さや乾燥に負けない体をつくるのに必要な栄養がたっぷり詰まっている。
旬の食材を調べ、味の濃い野菜を選んで、風邪やインフルエンザ、コロナなどの感染症対策に備えたい。
(文・灘尾
剛/画・TAKUMICK by Photo AC)