2020/11/01 07:00
11月1日は「紅茶の日」だということを、ご存知ですか?
なぜその日が紅茶の日なのかというと、1791年11月1日に、日本人が初めて外国の正式なお茶会で紅茶を飲んだ日だから。その日を記念して、1983年に日本紅茶協会が「紅茶の日」と定めたそうです。
紅茶の誕生には諸説ありますが、紅茶は偶然の産物で誕生したということは共通して言えることのようです。イギリスでお茶を最初に売り始めたときは、東洋の秘薬として売り出されたと言われています。その秘薬であったお茶を嗜好品として飲み始めたのは、ポルトガルからイギリスに嫁いできた貴族が、当時貴重とされていた砂糖を中国茶に大量に入れて毎日飲むという習慣が、イギリスの貴族社会に徐々に広まったのが喫茶の始まりとされています。初めてお茶を商品として出したのは17世紀、イギリスの貴族や文化人たちの社交場であったコーヒーハウスで、次第に一般人や各家庭でも飲まれるようになっていきました。
一口に紅茶と言っても、種類は色々あります。その中でも世界三大紅茶と言われているのが、ダージリン、ウバ、キーモンです。これらの茶葉にフレーバーをプラスするとさらに種類は増えます。
よく知られているアールグレイは、アイスティーで飲まれることが多いと思いますが、アールグレイティーは、ベルガモットの表皮から抽出した香油を、中国系の茶葉に吹き付けたものです。ちなみにアールグレイとは、1830年のイギリスの宰相、チャールズ・グレイ伯爵の名前に由来されます。アールは「伯爵」の意味ですが、グレイ伯爵は、大の紅茶好きだったそうで、フレーバーティーのこの紅茶をこよなく愛したことから、アールグレイティーと呼ばれるようになったとか。愛した紅茶に自分のお名前が付いたとなれば、グレイ伯爵も本望ですね。
日本が初めて紅茶を輸入したのは1887年で、ヨーロッパ文化に憧れがあったこともあり、茶の湯の文化に匹敵するほど人気があったとか。新しいものに目が無いのは、今も昔も変わらないようですね。
紅茶の香りには、睡眠を改善する効果があるという論文もあります。ストレス意識が高く、睡眠に不満がある女性を対象に、紅茶の香りが睡眠に与える効果を検証したという論文です。就寝時に紅茶の香りを嗅ぐことによって、睡眠の質の向上、起床時眠気、入眠・睡眠維持、疲労回復、睡眠時間に対する満足感の向上、ストレス意識を低減する心理作用ということで、ストレス意識が高かったのが紅茶の香りによって低減されて、睡眠が円滑になることが示唆されたという内容でした。
香りにはリラックス効果があり、人によって好きな香り、嫌いな香りがあるとは思いますが、紅茶の香りであれば、あまり好き嫌いを問わない香りであるように思います。紅茶の日である今日、寝る前に紅茶の香りを楽しんでから寝てみてはいかがでしょうか。
(文・キコ/画・HiC by Photo AC)