2020/11/14 07:00
子どものころ、家や学校で、食事中の姿勢は背筋を伸ばして、よく噛んで食べるように教わったものですが、それを大人になって実践するというのは、意外と難しいことも多いようです。スマホを見ながら何かをつまむようにして食べたり、同じ要領で書類に目を通しながら食べたり、落ち着かない状態で食事をする人の、なんと多いことか。
とにかくすることの多い現代人にとって、ゆっくりと楽しんで食事をするという機会は、極端に減っているように感じられます。
でも、食事は心にも身体にも、大きな影響が出るもの。蔑ろにしていると、心を病んだり、身体を蝕んだりする原因になりかねません。それに、食事中のマナーとして、相手に不快感や不信感を抱かせることになれば、
食事中、背中が丸くなっていませんか? テーブルに肘をついてもたれかかっていませんか? 前かがみで食べていませんか? 片方の手だけで食べていませんか?
食事をするときの正しい姿勢は、まず、テーブルに向って真っすぐ座ること。胸とへその間にテーブルが来るよう意識しながら、椅子に深く腰掛けます。テーブルとの間はこぶし一つ分程度。足の裏は地面にぴったりとつけて、背筋を伸ばします。
こうするだけで、消化吸収が良くなり、かみ合わせも良い状態で保たれます。消化吸収が良くなるので、消化器官への負担が少なくなり、病気しにくい体をつくることができるということになります。かみ合わせが良くなれば、良くかんでゆっくり食べることができるようになり、満腹感が得られて食べ過ぎを防いでくれます。脳が活性化して、顎が鍛えられることで瞬発力の向上も見込めるそうです。
これらはすべて、小学校のときに教師や栄養士から伝えられているはずのことですが、大人になるにつれ、すっかり忘れてしまうこと。それでも、背筋を正して食事をすることが何かと良いというくらいには、頭の片隅に残っていると思います。
それを思い出して、食事時だけでも、背筋を正してゆっくり食べてみる、というのも、良いかもしれません。少しずつ意識を高めて、その状態が定着するようにしていくことが、健康にとっては一番ではないでしょうか。
もちろん、食べるとき以外でも、たとえば歩くとき、立ち止まるとき。姿勢を正すことで改善されたり、気づいたりすることはあります。食事時から意識を高めれば、日常的に背筋の良い状態を保つことも可能となるでしょう。
ちょっとしたことですが、そのちょっとしたことを毎日少しずつこなしていくだけで、健康的な生活はできると思います。きっと、全体的に意識も変わっていきますよ。
ぜひ、挑戦してみてくださいね。
(文・オダ ツナヨシ/画・by Photo AC)