2020/11/17 07:00
ここ数回、「免疫力アップの扉」として発酵食品を紹介してきた。その中でも酢は、割と発酵食品だと認識しにくい。その酸っぱさから、遠慮しがちな方も多いのではないだろうか。
だが、酸っぱいとわかっているからこそ、今こうして酢と言われただけで、唾液が出てくる。酢には唾液の分泌を促すはたらきがある。唾液には抗菌、抗ウイルス物質が含まれており、ウイルスなどの侵入を防ぐ役割があるという。
どの酒でも、酒の発酵を進ませれば酢になるというが、人類が最初に使った調味料は酢だといわれている。アルコールがすっかり飛んで酸っぱくなったものを、食材につけて食べたり、煮込みやソースとして使ったりした。旧約聖書にも酢を飲んでいたという記述がある。日本では奈良飛鳥のころに伝わったとされ、万葉集に記録が残っている。
酢の活用法としては、いろいろとある。バルサミコ酢などは、バニラアイスにかけていただく、というオシャレな食べ方もある。発酵食品の納豆にも合う。果実酢を炭酸水で割って飲むというのも良い。使う酢が黒酢なら、アミノ酸が豊富だというから、より身体に良いことは間違いないだろう。
ちょっと残った野菜などを酢漬けにして保存したり、酢の物を食べるように心がけたりするのもひとつ。
今回は免疫力アップをテーマに取り上げたが、内臓脂肪を減らすはたらきがあるというから、ダイエットにもおススメ。食後の血糖値の上昇をゆるやかにしたり、高血圧の緩和にも役立ったり、何かと役に立つらしい。
除菌や殺菌にも使えるので、掃除にもよく使われる。シンクの水垢とりや包丁、まな板の除菌、冷蔵庫の掃除にも臭い取りになって良いという。漂白もできるというし、汚れた窓ガラスもキレイになるそうだ。そもそも口にすることができるものなので、安心して使えるのもありがたい。
発酵食品を有効活用して、健康生活に役立てたいところだ。
(文・灘尾 剛/画・HiC by Photo AC)