2020/12/01 07:00
酵素。一度は聞いたことがあると思います。
この酵素、意外と巷にあふれていることをご存じでしょうか。健康食品、洗剤、医薬品、検査薬、食品添加物の機能性オリゴ糖やトレハロースなど、さまざまな産業分野でも活躍している成分です。
それなのに、酵素が何ものであるのかを、ちゃんと分かっていないという人も多いでしょう。健康とアンチエイジングを目指すために、酵素のことを知って、自分の生活に活かしてみてはいかがでしょうか。
今回はそんな酵素のこと、簡単にまとめてみました。
目次
酵素とは?
酵素を摂取する必要性
酵素を摂取する方法
酵素ドリンクの種類
酵素の効果的な飲み方
まとめ
酵素とは?
ひとくちに酵素といっても、その種類はさまざま。機能的な役割も、それぞれに違います。
そもそも酵素とは、生きている体の中で、さまざまな活動をスムーズに行うためにはたらいているタンパク質のことです。酵素は体の中の細胞の中で合成されて、物質の代謝に関わります。酵素はタンパク質でできているか、タンパク質と低分子化合物というものが一緒になってできており、特定の化合物に対してのみはたらきます。その種類はとても多く、食品工業、醸造工業、製薬工業など、幅広い分野で活用されています。
ドリンクやサプリとして市場に出回っているのはご存じかと思います。中には酵素そのものが含まれないものもあると聞きますから、選び方には注意が必要ですね。
5,800を超える数の酵素が現在確認されているそうで、さまざまな方面で利用されています。洗濯用洗剤にも、酵素パワーが使われているのは有名です。歯のホワイトニングや人工甘味料、チーズ、胃腸薬など、日用品や市販薬に多く活用されていることは、コマーシャル等でも伺い知ることができます。
また、特定健康診査の血糖測定やヘモグロビンA1C測定、アレルギー様食中毒の原因物質測定といった、医療診断にも使われていますし、臨床検査に使われる酵素もあります。
料理をするときにも、パイナップルやパパインに含まれる酵素は、肉をやわらかくするのに用いられることで知られています。オリゴ糖や水あめ、トレハロースにも、酵素が材料となっているとのこと。
上げればキリがないほどに、酵素はさまざまな場所で活用されているのです。
酵素を摂取する必要性
酵素が不足しやすいと言われる現代人。その要素はさまざまですが、過度なストレスや食環境、過度な薬品摂取などが原因となりやすいようです。
便秘がちでおならや便が臭ったり、食後に体が重く、眠たくなって胸やけがするようになったりするのは、そのサインのひとつだそう。他にも化粧のノリが悪いとか、肌がカサカサするとか、ダイエットが成功しにくいとか、お酒が急に弱くなったとか、身体の不調は酵素不足のサインになると言います。
睡眠の質が悪いと感じる。寝つきが悪い。風邪をひきやすい。頭が重い。むくみがちで下半身が冷える。肩凝りや筋肉痛が酷い。集中力がない。落ち着きがない。物忘れをしやすい。イライラする。月経不順や月経痛に苛まれる。慢性疲労。血糖値が高い。
こうした症状をいくつか感じるようであれば、酵素で解決する場合もあるとか。
酵素を摂取する方法
酵素には、もともと体内に備わっている消化酵素、代謝酵素があります。食べたものを分解して吸収しやすいよう消化を促す酵素と、運動・呼吸・血液循環・免疫力・老廃物排出など生命活動を担う酵素です。
これらは体内で生成することのできる酵素ですが、生の野菜、果物、魚、肉、発酵食品にも酵素は含まれています。酵素不足を補うには、食品から摂取することが必要です。消化酵素ジアスターゼを含む大根等が有名ですね。また、体内で生成される酵素のはたらきを補佐する補酵素も、食品から摂取することができます。体のモーターのような役割をすることで知られるATPの合成酵素は、補酵素によって円滑にその仕組みを整えますが、特に知られている補酵素のひとつに、コエンザイムQ10があります。
ちなみに還元型のコエンザイムQ10を100mg摂取しようとするなら、イワシで約20匹、ブロッコリーで約12㎏、牛肉で約3㎏を食べなければなりません。1日に必要といわれているコエンザイムQ10の摂取量は。60~100㎎といわれていますから、食べ物で補おうとすると、かなり難しいものがありますね。
補酵素の話はさておき、酵素を効率的に摂取するためには、生に近い状態の食品を多く摂る必要があります。酵素は熱に弱い傾向にあるからです。
ローフードと言われる食事法があります。加熱をしない調理法で食事を用意していただくということで、酵素を効率的に取り入れるための食事法ということのようです。こうした食事法を実践したり、専門知識に裏付けされた料理を提供してくれるカフェやレストランへ行ったりするのも、ひとつのやり方だと思います。
よく、生のサラダから先に食べるのが良いという話を耳にしますが、これも酵素を効率的に取り入れる食べ方のひとつだそう。
酵素ドリンクの種類
酵素不足を補うために、よく耳にしたり口にしたりするのが、健康食品としての酵素ドリンク。そのいくつかをご紹介して、比較してみましょう。
●野草酵素「酵素八十八選」
定期便:1か月毎⇒\8,149
1日あたり約272円
味:強い甘味
●「万田酵素」
定期便:1か月毎⇒\5,832
1日あたり約194円
味:強い甘味
●M
natural「ひとくち酵素」
定期便:1か月毎⇒\3,791
30g(1g×30包)
1日あたり約126円
味:酸味、塩味
発酵を促進させるための糖類を投入するため、甘い酵素が一般的です。甘い酵素はかなり強い発酵を伴う甘味がするため、独特の味わい。そのため、苦手に感じて毎日続けられない方もいらっしゃるようです。
酵素の効果的な飲み方
ファスティングでも活用されることのある酵素ドリンクですが、基本的に朝起きがけの空腹時、夕食を食べてから数時間を経過した夜眠る前が良いというおススメの仕方が多いようです。胃が活動状態でない方が、他の食品に疎外されることなく吸収できるということでしょうか。
空腹時に飲む、ということが、効果的に酵素を取り入れるうえで大切なことということですね。
良質な水と一緒に飲むことも、すすめられていることが多いように見受けられます。濃縮された酵素のエキスを、水で広げる、というイメージ。ファスティングのときも、良質の水とともに過ごすことが推奨されることが多いと伺います。
携帯できるものは、さらに日常生活の中で取り入れるのに便利ですね。朝、飲み忘れてしまった日も、携帯していれば昼食前に出先で飲むことができます。薬ではなく、あくまで食品なので、食事の補佐として活用するのが良いようです。
ホームページなどで酵素を飲んでいる人の体験談を拝読していると、胃もたれなどにも良いとのこと。食べ過ぎ飲み過ぎが多くなりがちな年末年始にも、酵素を取り入れてみると、良いのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
酵素は人の生命活動に必要不可欠。食品から摂取できれば一番良いですが、忙しい現代人にとって手軽に摂取できる酵素ドリンクは助かりますね。続けるのであれば、自分にとって味の合うものを選びたいものです。
毎日摂取することが重要な酵素。いくつか試したうえで、続けられるものをお選びになることを、おすすめします。
(文・オダ ツナヨシ/撮影・糸井康友、室谷真由美/画・ぽんぽこ、しばいぬだいすき、やいしゅ、きなこもち from Photo AC)